ツー

日常の記録

MTV Unplugged Presents: LoveLive! Superstar!! Liella!

これが見たかったんだよ。

イベント概要

オタクとしての感想

ラブライブというコンテンツのライブは基本的にミュージカルだと思う。

最初はラブライブのロゴが出る出囃子から始まり、各メンバーの自己紹介が全員分流れ、曲が始まる。ラブライブのオタクはフェスで参加しているのを見るたびに「自己紹介している時間で曲を一曲やれよ」でおなじみのアレである。

曲中のパフォーマンスが、背景で流れるアニメーションPVとシンクロしているのはもちろん、それぞれの曲が作られる前後の場面をスクリーンで流したり、おおむね型が決まっていてそれを間違いなく実行していくというシンクロパフォーマンスで人気が出ているし、かつそれが魅力の一つであるのは間違いない。

直近であったバンナムフェス2ndは配信で参加していたが、他ジャンルのオタクであろう人のコメントはだいたい「ラブライブやべぇ」である。やべぇを詳しく言葉にすると、まぁまぁ激しいダンスをほぼノンストップでぶっ続けでやってパフォーマンスにあっけにとられていると、ほぼ水飲むためみたいな休憩だかMCだかよくわからない時間が一瞬で終わり、また曲が始まりを繰り返し、そして歌うだけ歌ったら颯爽と去っていくスタイルである。バンナムフェス2ndはAqoursもやべぇと思うがLiella!もたいがいヤバかった。

そんな中、ラブライブをまぁまぁ追っかけているオタクは「楽曲を落ち着いて聞いてみたい」と割と思ったことは一度くらいはあるのではなかろうか。

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QU4RTZのファンミーティングで未来ハーモニーのアコースティックが披露されとてもよかったというのは記憶に新しい。QU4RTZがアコースティックをやるというのはQU4RTZがハモりを主体としているというのがあるから、サプライズで披露されてもうれしいという感じであるが、さてほかのラブライブシリーズにおいても同様なものを聞きたいというのは、オタクであれば少しくらいは思ったことがあるはずである。

そこでMTV Unpluggedを引っ張ってきたのではないだろうか。

MTV??!?!????なんて??!?!?!??!?

イベントの告知を最初に聞いたときはマジそんなんだった。

既存のラブライブの枠組みからはそんなに逸脱させにくい。CYaRon!の2ndライブがいい例で、いろんな意味で大暴れしたTAKUYA氏は界隈に賛否両論の意見が噴出してたし。

個人的には沼津みなと新鮮館を高らかに歌い上げてたし、Twitterとかを見る限りでは沼津に住もうといわんばかりの勢いがあるTAKUYA氏はめっちゃすきだけど。

そういうラブライブの型を脱した歌を中心にしたことをやりたい、けれどラブライブの看板を背負っていると賛否両論が出やすい。そこでMTV Unpluggedが選ばれたのではないだろうか。しらんけど。

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いざ会場に行ってみるともう完全に普通のアーティストのライブ会場だった。ゆるキャンのイベントか??というくらいテントが張り巡らされたステージは「キャンプファイヤー」がテーマで、文字通り全体の雰囲気はキャンプファイヤー中の催し物といった感じである。

いつも流れる各種告知動画は一切流れず、スクリーンにはロゴのみが表示され、キャンプの中にいるような自然音が流れていて、ラブライブのライブということを踏まえると異様でしかないが、この落ち着きが逆にどのようなライブになるのかという高揚感になるというか、とても不思議な感覚だった。なお今回二日ともブレードはStarlight Prologueのかのんソロの箇所だけ点灯し、他は一切使わなかった。

演奏される曲は親の声よりよく聞いた1st live tourの曲たちそのもので、シンプルに聞くことに集中できる。アッパーな曲もいい感じにアレンジされており、原曲が頭の中で流れつつも体を動かしたくなる感じがいい感じにいなされていて落ち着いて聞くことができた。

曲の最中もスクリーンでアニメーションが写されるのはごくわずかという感じで、高揚感のある曲なのに落ち着いて聞いていられると素敵空間だった。

どれもいい曲だったが今回のベストは間違いなく「ノンフィクション!!」だった。この曲ってジャスだったんや。

アレンジの曲調もさることながら、メインボーカルであるペイ子の一番の低い声でラップ調の歌詞が続くところ。原曲においても低い声がつぶれずに出ていてすごいと思っていたが、これがジャズ調の曲に乗っかると最高の相性。ペイ子ってジャズのアルバム出してるって言われても信じるレベルのマッチ具合だった。

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あと特記すべきは歌わないメンバーもステージに出ていること。

ラブライブにおいては歌わない演者は基本的にはステージ上には出てこないが、今回は全曲を通して全員いる。歌ってるメンバー同士のアイコンタクトはもちろん、歌っていない人が歌っている人も見る様子が見られるというのもとてもよかった。

Tiny Starsを歌う伊達ちゃんを見るなこは肖像画のようだったし、常夏☆サンシャインで楽しそうに合いの手を打っているなぎは年相応の無邪気さを感じる。歌っていないときのペイ子はお人形さんみたいだったし、りーちゃんはいつも通り何を思ってるかわかんない感じでかわいい。伊達ちゃんはだいたいいつでもニッコニコ。

ラブライブという文脈においては、このような要素はステージ上に出てこないことが多く、ブルーレイの映像特典だったり、生放送だったり、ラジオだったりで語られることが多いことであるが、アーティストのライブであるMTV Unpluggedであるからこそ、こういう要素をステージ上で見ることが可能だったのだと思う。

ラブライブというガッチガチのミュージカルで鍛えられてきた彼女たちが、その枷を外して素のアーティストという部分に日を当てるとこんなにも素晴らしいものが見られるという、これだからラブライブはやめらんねぇんだよな。

アコースティックだけで終わるのかと思ってたら、アンコールで通常音源の普通のライブが始まった。MTVで放映される際のアピールであろうことはもちろん、Day1みたいなアコースティックでは表現しきれないであろう曲もやってLiella!のライブとしてもまぁまぁなボリュームのライブだった。

アコースティックの部分も素晴らしかったけど、アンコールで通常音源を浴びせられるとライブの後味は完全に ラブライブ!スーパースター!!Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~ 神奈川公演 おつかれさまでした!!!!!!という感じだった。なんだこれ。

正直なところ、昨今のイベント乱発のあれこれでいろんな意味で疲れ切っているというのは否めないし、現在活動中のラブライブの3グループが、それぞれどういう色を出していくのかというのにいろいろ悩んでいるんだろうと思う。各グループがそれぞれの暗中模索感があるのを感じるが、今回のこのライブは間違いなく当たりだった。音楽が好きという人は間違いなく今回のライブは最高だったと思う。逆にラブライブを見に来た人にとってはイマイチと感じるかもしれない。

コロナのあれそれが落ち着いてきて若干イベントラッシュも落ち着くかなとの期待があったが、Aqours、ニジガクはともかく、Liella!の、湾岸線の一番右車線を爆速で走り抜けていくようなスポーツカーのような疾走感は今も変わらないどころかより加速している気がするし、たぶんこれから同じ感じで加速し続けていくんだろうと思う。

正直なところ全部が全部追っかけられる気力はもはやないという感じではあるが、今回のライブのように、何か新しい面白さにむけて色々ともがいている最中なのは間違いない。こういう新しい、新たな視点や価値観が見られるイベントをまた開催してもらえたらなと思う。

ねぇねぇイベント終わってもまだ空が明るい!!!!

とはいえニジガクアニメ二期の直前生放送のためにそこそこ急いで帰らないといけない。ニジガクアニメも大概エモの塊ドッカンという感じなのでマジでライブと同日にやることはなんとかしてくれんかなぁーーーとは思う。結局両方見るんだけど。

今回顔認証的なやつはなく、Google Formsにアンケートを入力するやつだった。コロナが若干落ち着いたからか、人数規模的に行けると判断されたか、財布事情がアレなのか、MTVのフォーマットにしたがったのか、どれかはわからない。

セットリスト

歌唱者は1st liveと同じため省略

  • (衣装:白ドレス 以下アコースティック)
    • START!! True dreams
    • MC1
    • 未来予報ハレルヤ!
    • 1.2.3!
    • Tiny Stars
    • バイバイしちゃえば!?
    • 常夏☆サンシャイン
    • MC2
    • カバー
    • 瞬きの先へ
    • Wish Song
    • ノンフィクション!!
    • MC3
    • Dream Rainbow
    • 私のSymphony
    • Starlight Prologue
    • MC4
    • 未来は風のように
  • (アンコール 衣装:始まりは君の空 以下通常音源)
    • 一日目
      • 始まりは君の空
      • だから僕らは鳴らすんだ!
      • MC5
      • Day1
      • Shooting Voice!!
      • MC6
      • この街でいまキミと
    • 二日目
      • 始まりは君の空
      • だから僕らは鳴らすんだ!
      • MC5
      • Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!
      • Dreaming Energy
      • MC6
      • この街でいまキミと

リンク

二日目 カバー曲のやつ

パーカッションの人が村上のなっちゃんにめっちゃ似てた。笑ってる顔がそっくりだった。上段左から三人目。

Day1はいきなり撮影が始まり、写真撮るっていうこと忘れてたーーーって言ってた伊達ちゃんがかわいかった。いや、この街でいまキミとが流れた時点で撮るのは知ってたけどさ。